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代表者の自己破産と法テラス利用について

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2016/03/04(金) 12:49:45

弊所にご相談いただく事案には、未だ事業継続中の会社が多いのですが、なかには数年前に事実上廃業しており、現在は動いていない会社の破産についてのご相談を受けることがあります。このように、現在動いていない会社に関する破産のご相談の場合、相談者である会社代表者の方の意図は、代表者ご自身の自己破産であることがほとんどです。これは、現在動いていない会社に関する破産のご相談の場合、事実上の廃業後に代表者の方は新たな仕事を開始されているものの、会社経営当時の借金(銀行借入についての連帯保証債務がその典型です。)が引き続き自身の負担となっているので、これを整理したいという事案が典型であるためです。

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このような事例の場合、会社は事実上廃業しているのであるから、会社についての破産申立ては行わずに、代表者の方についてのみ破産申立てを行えば良いのではないかと思われるかもしれません。しかし、会社の破産手続きを行わずに、代表者個人について破産手続開始決定がなされますと、会社と代表者との委任関係が終了しますから(民法653条2項)、当該会社は代表者不在となってしまい、事実上精算が困難な状態に陥ります。これは、債権者にとっても、税務上の損金処理ができないことを意味し、不都合です。

また、代表者個人の財産と会社の財産が区別されていなかったり(特に、小規模の会社の場合に多いです。)、代表者が会社に対して貸付金か仮払金等の債権を有している場合には、会社の財産調査をしなければ、代表者の財産状況も正確に把握できないことになります。このため、東京地方裁判所をはじめとする多くの裁判所では、代表者の自己破産申立てを行う場合には、会社の破産申立ても同時に行うことが求められます。

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もっとも、会社及び代表者の破産申立てを同時に行うにあたっては、その破産申立費用をどのように捻出するかが大きな問題となります(会社破産(法人)にかかる費用はこちら)。というのも、事実上廃業している会社の場合、既に会社の資産(売掛金や会社の預貯金等)は散逸している場合が多く、会社資産をもって破産申立てを行えないことがほとんどです。また、会社の破産申立てに要する費用については、法テラスによる立替払いを受けることもできません。 したがって、会社の破産申立費用につきましては、代表者の方に事前に積み立てていただく必要があります。

ただし、代表者自身の自己破産申立てに要する費用については、法テラスによる立替払いを受けることが可能ですので、同費用分については、事前に代表者の方に積み立てていただく必要はございません(もっとも、法テラスによる立替え費用は、後日、月額5000円より償還する必要がありますので、この点にはご留意下さい。)。 そして、会社と代表者の破産申立てを同時に行う場合には、破産管財人への引継予納金を統一することができますので、結果として、代表者の方に事前に積み立てていただく費用は、会社の破産に要する弁護士費用(着手金等)及び裁判費用に加え、破産管財人への引継予納金(東京地歩方裁判所の運用では、最低20万円となっています。)となります。

以上のとおり、既に事実上廃業している会社代表者の破産にあたっては、法テラスによる立替払い制度を有効に活用することで、会社及び代表者の方についての破産申立費用を一部節約することができます。弊所では、代表者の方に替わって、法テラスに対する申請手続を行っておりますので、代表者の方には、同手続の利用に関するご質問も含め、お気軽にご相談いただきたいと思います。

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